寝顔
眠い目を擦って頑張れ頑張れ
それでもまた寝てしまう君を見て
何度も思っただろうか
無邪気な寝顔が隣にある
それだけでたぶん幸せってやつだよな
朝メシに卵5個使って卵焼きでも作るよ
「味が薄いよ」「掃除してよ」
「洗濯物はここじゃないよ」
そう言って明日も来年も
かけがえのない僕らの日々を
笑いながら愚痴りながら泣きながら過ごしてこう
僕より先に死なないでほしい
だけどきっと君は涙を流すから
わかったよ その当番は引き受けてあげるよ
その代わり その分の幸せは
いつか来るその日まで感じさせてくれよな
なんでもない日常に隣にいてくれればいいから
いつか口数が少なくなっても
さっき食べたこと忘れてしまっても
若い時の事は覚えているらしいから
この約束も大丈夫
いつか子どもができて 孫ができて
しわが増えて 髪がなくなっても
理想を言うよ 僕が歩道側を
手を繋いで歩いていくことなんだよ
君より少し長生きするよ
君より少し先の未来を見て
お土産話を持って君の下へ走っていくから
あの日話した日常のように
ふざけてたいつかの夜みたいに
眠くなったとしても 頷きながら最後まで
聞いておくれよ
あと50年先の記念日も
手を繋ぎながら隣で寝るの
来年の今日もあと50年って
「いつ死ぬの?」って聞かれても
「200歳くらい」って笑いながら答えてやるから
僕より先に死なないでほしい
だけど君が悲しみに暮れるのはイヤだし
やっぱりその役目は僕が引き受けてやるから
その代わりそれ以上の幸せを
これから先の未来を2人で生きてこう
いつか来るその日だって君の寝顔を見ながら
「待っててね!」と叫ぶんだよ