夜空に舞う花に

ひぐらしの声が寝静まる頃
深く蘇る赤い髪飾り
遠く響くのは鳴り止まぬ鼓動
水面に映った並ぶ影法師​
囁く声がこだましては消えていく
恋しさ溢れた
散りゆく定めであることは知りながら
このままもう少しだけ
夜空に咲く花を 待ちわぶ 片思い
ちぐはぐな心に 風が通り抜けた

流れる空気に ふた文字の想いを
遮るかのように灯火が登る
夜空に散る花が 終わりを示してた
無邪気なその心 今も僕の中に

消えた また終わる
僅かな距離が埋められず
滲む 一夏の思い出

夜空に舞う花に 儚い片思い
切なく美しい 花を忘れないから
夏の終わり告げた